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南都八景(大和八景)~ 奈良公園周辺 いにしえの奈良名所 ~|画像 たっぷり奈良

奈良公園

奈良公園周辺には、「南都八景(なんとはっけい)」とよばれた奈良名所がありました。
現在は、あまり知られていないかもしれませんが、南都八景とは、どこなのか。そして、果たしで現在も残っているのか・・・そんな疑問にお答えします。

また、2023年(令和5年)12月には、奈良市観光協会により、奈良市の世界遺産「古都奈良の文化財」登録25周年を記念して、「新・南都八景」が、おすすめの撮影スポットとして一般投票で決められました。こちらについては、また、別に紹介しています。

      

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南都八景(なんとはっけい)とは

南都八景は、1456年(寛正6年)足利八代将軍義政が、春日詣を行った際に、将軍にお供をした「鹿苑院蔭涼軒(ろくおんいんいんりょうけん)<京都 相国寺の塔頭>」の僧「季瓊真蘂(きけいしんずい)」が、中国の瀟湘(しょうしょう)八景にちなんで風光明媚な奈良名所として記した日本最古の八景といわれています。

     

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その後、江戸時代の各種の絵図などで「南都八景」が紹介されているようです。

約600年前に奈良名所といわれた風景ですが、その姿が現在も残っているというのが奈良の魅力でもあります。

もちろん、時を経た変化はありますが、いにしえの頃から受け継がれ、歴史上知られる人物も見てきた風景です。是非、楽しんでみてはいかがでしょうか。

以下に南都八景とされた場所と現在の様子を紹介します。


     

 画像を「クリック」すると大きく見られます。
 スマホでは、タップで拡大後、「スワイプ操作」で次の写真が見られます。

Photos by Catharsis  無断転載禁止 ©Catharsis 2021-2024

     

東大寺の鐘

東大寺の鐘楼は、鎌倉時代の承元年間(1207~11)に再建されたものです。
梵鐘(国宝)は東大寺創建当初のもので、752年(天平勝宝4年)に鋳造されたといわれており、日本三名鐘のひとつに数えられています。
重さは、26.3tもあり、鐘声の振幅は非常に長く、「奈良太郎」という愛称もあります。

     

春日野の鹿

奈良公園では数多く見られます。この風景は、奈良観光の目玉の一つですが、いにしえの時代から守られ、現代に引き継がれている風景です。
現在も、市街地に近い場所ながら野生の鹿が自然に生息する環境には驚きを感じる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

      

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興福寺南円堂の藤

興福寺 の全盛期には、藤原氏の氏寺として藤の花が多く植えられていたといわれますが、現在もいくつかの藤棚があります。南円堂の前にも藤棚がありますが、当時はもっと多くの藤が咲き誇っていたのかもしれません。

ただ現在は、奈良公園の藤といえば、「春日大社神苑(万葉植物園)」や「春日大社本殿前の『砂ずりの藤』」が、名所となっています。

     

猿沢池の月

興福寺の放生池であった猿沢池ですが、現在も興福寺の五重塔を水面に映すこの池は、奈良の代表的な風景の一つです。

この池と共に観る月、あるいは水面に映る月に風情を感じたのしょうか。

五重塔のライトアップもなかった(あるいはかがり火などで見えたのも知れません)時代、宵の薄明るいときに見えた風景なのかもしれません。

     

     

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佐保川の蛍

佐保川は、春日山原始林の中にある鶯の瀧から奈良市内に流れ、万葉集の歌にも詠まれる川です。

現在は、桜の名所として多くの人が訪れます。

南都八景でいう佐保川は、どのあたりの佐保川なのかはよく分かりませんが、かつての佐保川には至る所で多くの蛍が飛び交っていたのかもしれません。
桜の見どころとなっている佐保川ですがもっと蛍が飛び交う姿が観られることを期待したいところです。
奈良市立佐保川小学校前の学び橋付近では、観られようです。


また、奈良公園では、東大寺 二月堂から大仏殿の裏手に下る参道沿いの小川で蛍を見ることができます。

      

三笠山の雪

若草山 は、笠を三重ねたような姿であることから三笠山とも呼ばれます。この時代の若草山の姿は、現代と同じようなものなのかはわかりませんが、芝の上に積もる雪の姿が美しかったのだと思います。
若草山は、奈良公園周辺からは、様々な場所から見ることができます。

      

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雲井(雲居)坂の雨

「雲井(雲居)の坂」は、県庁と東大寺の間にある、国道369号線にあった坂です。昭和初期に道路が整備され、坂はかなりなだらかなっていますが、かつては、京都方面から奈良に入る際の急坂の難所であったようです。
雨の降るときのこの坂の様子に風情があったのでしょう。

現在は、石碑のみが置かれています。

国道369号線は、奈良時代の平城京の「東七坊大路」を踏襲するものです。
奈良と京都を結ぶ主要道路で、江戸時代には「京街道」とも呼ばれていたようです。

「東七坊大路」は、平城京の東端の大路で西側は興福寺、東側が東大寺の寺域でした。近くには、「東大寺 西大門址」の石碑も見られます。

         

轟橋(とどろきばし)の旅人

轟橋の姿は、現在は見られませんが、雲居の坂を上ったあたりにあった橋のようです。
多くの旅人たちが往来し、足音や荷車の音が響いていたことから轟橋とよばれたようです。
現在は、橋はありませんが、橋の一部であった石が歩道の敷石として残され、偲ぶことができます。

現在も存在する「みとりゐ池」から流れる小川に掛けられた橋のようです。
「みとりゐ池」は、かつてこの辺りから春日大社の一之鳥居を望むことかでき、この池に鳥居が映った姿が見られたことから「見鳥居池」と呼ばれるようになり、そこから転じているようです。

東大寺の東大門跡、雲居坂と轟橋の史跡は、ほぼ同じところ(みとりゐ池園地内)に石碑が置かれています。


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南都八景 アクセス

南都八景に選定された場所は、いずれも、奈良公園周辺です。四季を通じた風景ですので、季節ごとに観られたり見られなかったりしします。また、現在は、石碑のみが残るところもありますが、少し足を延ばして、かつての名所といわれた場所に立ち、その時代の人々の姿を思い浮かべてみてはいかがでしょうか。

     

南都八景マップ

アクセス

所在地:
 奈良市登大路町付近

最寄駅:
 近鉄 奈良駅、JR 奈良駅

徒歩、または、「市内循環バス(外回り)」
以下「市内循環バス(外回り)」の最寄り停留所です。

  • 南円堂の藤・猿沢池の月:「県庁前」下車 徒歩 約 5分
  • 雲井坂の雨・轟橋の旅人:「県庁東」下車 徒歩 約 3分
  • 東大寺の鐘:「東大寺大仏殿・春日大社前」下車 徒歩約 15分
  • 春日野の鹿:「東大寺大仏殿・春日大社前」下車 徒歩約 3分
  • 三笠山の雪:「東大寺大仏殿・春日大社前」下車 徒歩約 15分(若草山山麓まで)
  • 佐保川の蛍:当時は、佐保川の様々なところで見られたのではないかと思います。
          現在は、佐保川小学校付近で見られるようになってきているようです。
          ※ 佐保川については 、桜の見どころで紹介をしていますので、こちら
           ご覧ください。(佐保川小学校の場所も示しています。)

基本情報

拝観料・拝観時間:
   いずれも自由散策

駐車場:
  なし(奈良公園周辺駐車場を利用)


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近隣の見どころ

「春日大社」「興福寺」「東大寺」の三社寺は、言うまでもありませんが、「近鉄 奈良駅周辺の商店街」や「ならまち」など、奈良を代表する風景がたくさんあります。
奈良公園からは、少し離れますが、平城京の宮殿が置かれた「平城宮跡」や、右京に置かれた「薬師寺」や「唐招提寺」も見ごたえがあります。

     

また、2023年(令和5年)12月に投票により選定された「新・南都八景」については、こちら

近隣の宿泊施設

見どころ多い奈良、時間をかけて見るほどに、感動も深まります。

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