元興寺は、奈良町にある世界遺産のお寺です。奈良町にあるというよりも、日本最古の本格伽藍の飛鳥寺が平城遷都に伴って移設されたお寺で、かつては奈良町(ならまち)一帯が元興寺でした。
飛鳥寺創建時に使われていた瓦が今もそのまま残っています。
2023年(令和5年)12月に 奈良市観光協会が投票で選定した「新・南都八景」にも選ばれています。
拝観どころ
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元興寺の概要
元興寺は、現在、明日香村にある日本最古の本格伽藍の寺院「飛鳥寺(法興寺)」(蘇我馬子が建立)で、後にを、「元興寺」と名を改め平城遷都にともないこの地に移転されたお寺です。
移転当時は、平城京の左京(外京)に、興福寺と南北に接した大伽藍(現在の奈良町ほぼ全域が元興寺)でしたが、たび重なる罹災により、「現在の境内」と「史跡元興寺塔跡」「史跡小塔院跡」がかろうじて残る程度となっています。

現在は、「史跡元興寺極楽坊境内」というこじんまりとした空間に「極楽堂(極楽坊本堂)」と「禅室(極楽坊禅室)」が残り、世界文化遺産登録されています。
「極楽坊」はかつての元興寺僧坊の一部で、鎌倉時代に「極楽堂〔国宝〕」と「禅室〔国宝〕」に改築されました。
境内からは、無数の石仏と民俗資料が発見されています。
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元興寺の画像ギャラリー
撮影:2021年(令和3年)2月
Photos by Catharsis 無断転載禁止 ©Catharsis 2021-2024
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元興寺の見どころ

飛鳥寺で使われていた建築材も運ばれ再利用され、極楽堂と禅室には建立以前(飛鳥時代の飛鳥寺)の柱や瓦が今もなお一部に使われています。
そのまま使われた瓦は、現在の元興寺に、その姿を残しています。
法輪館には奈良時代の「木造五重小塔〔国宝〕」「木造阿弥陀如来坐像・智光曼陀羅図・庶民信仰資料〔各重文〕」などが多数保存されています。
行事や花の咲く季節に訪れるのがお勧めです。
おすすめの時期
主な行事
他にも行事はありますが、これと合わせて拝観されてはいかがかと思います。
節分会(節分の日)
節分に、「法要」、「柴燈大護摩供・火渡り秘供(一般参加可)」、「豆まき」の順で節分会が行われます。
※ 令和3年は、コロナ対策で、豆まきは中止となりました。
花まつり(5/8)
お釈迦様の誕生日をお祝いするまつりで、本堂正面に花御堂を飾り、灌仏会が行われます。
地蔵会(8/23、8/24)
地蔵会供養は、「法要(地蔵尊供養)」「塔婆供養」「万灯供養」「地蔵尊御影配布」「模擬店」「奉納演奏」の行事が行われます。
両日とも夕刻から、菜種油と藺草の灯芯で灯る灯明皿が境内に並びます。
境内の花の時期
桔梗 (7月上旬~8月上旬)
約1,000株ほどの白と紫色の桔梗が、石仏の間に咲きます。
彼岸花 (9月中旬~下旬)
約100株程度の彼岸花が、石仏の間に咲きます。
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元興寺に関する豆知識
元興寺の歴史は・・
- 平城京への遷都が行われる以前は、飛鳥京、藤原京の時代は、現在も飛鳥の地にある「飛鳥寺」でした。
- 蘇我馬子の発願により、聖徳太子と共に日本初の本格的寺院として完成したお寺で、「法興寺」と呼ばれていました。
- 平城京への遷都に合わせて、遷寺が行われ、寺号も「元興寺」と改められました。
その時に伽藍の一部が、平城京に移され、その時の瓦が現在も「元興寺」で使い続けられており、時を経て見ることができます。
「日本最古の瓦」として、2023年(令和5年)12月に「新・南都八景」にも選ばれています。
また、飛鳥寺は、平城遷都後もすべてが移されたわけではなく、飛鳥に維持され、現在に至っています。
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「ガゴゼ」って?
その昔、元興寺の鐘楼に鬼(あやかし)が出て、都の人たちをこわがらせていたが、尾張国から雷の申し子である大力の童子(道場法師)が入寺し、この鬼(あやかし)の髪の毛を引き剥がして退治したという説話があります。
この話から、邪悪な鬼を退治する雷を神格化して、八雷神とか元興神と呼ぶようになり、鬼のような姿で表現するようになったようです。

元興寺にまつわる鬼のことを「ガゴゼ」とか「ガゴジ」とか「ガンゴ」などと呼ばれるようになったという説があるようです。
昔、元興寺にいた鬼のことを「ガゴジ」(元興寺)といったが、後に寺方が「ガゴゼ」(元興神)というようになったという話もあります。
元興寺を知らない方でも、鬼の呼び名として「ガゴゼ」や「ガゴジ」は聴いたことがある方もいるのではないでしょうか。
(他の説もあるようですが・・)
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ならまち(奈良町)に残る、元興寺の痕跡
奈良町は、奈良時代の平城京の外京(げきょう)と呼ばれるエリアを中心に、平安末期の11~12世紀頃寺社の仕事に携わる人々によって形成された場所です。
奈良町の一角には、「史跡元興寺塔跡」「史跡小塔院跡」が現在の元興寺とは別の場所に残っています。そして「奈良町資料館」は、元興寺の本堂があった場所です。
この奈良町一帯が、かつての元興寺だと思うと、当時の広大な境内が偲ばれます。
元興寺塔跡
元興寺小塔院跡
少々荒れ果てた感じで、立札がなければ、手がはいいていない個人宅の庭のようなイメージ寂しさを感じます。かつては、ここに国宝の木造五重小塔(現在は元興寺内に安置)が置かれていたようです。
奈良町資料館(元興寺本堂跡地)
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元興寺へのアクセス
アクセス
最寄駅:
JR奈良駅、近鉄奈良駅
(近鉄奈良から、徒歩で行くのがいいと思います。)
徒歩:約 15分
バス:
天理駅行、下山行、
シャープ総合開発センター行
「福智院町」下車、
徒歩 約 5分
または、
市内循環バス
(内回り、外回り どちらでも)
「田中町」下車、徒歩 3分
徒歩: 約 20分
バス:
市内循環バス(内回り)
「田中町」下車、徒歩 3分
基本情報
所在地:
奈良市中院町11
拝観時間:
AM9:00~PM5:00
(※ 入門は、PM4:30まで)
拝観料:
大人500円(秋季特別展期間中600円)
駐車場:
乗用車12台(拝観時間内 無料)
近隣の宿泊施設
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近隣の見どころ
奈良町(ならまち)のそぞろ歩き、春日大社、興福寺、東大寺など奈良公園全般と合わせて観ると奈良を満喫できると思います。
利 酒
奈良の酒蔵の一つ、「春鹿」の商標を持つ今西清兵衛商店も奈良町の一角にあります。
5種類(店指定)の利き酒もできます(オリジナルおちょこ付きで500円)。



「春鹿」の酒造の中での
利き酒が楽しめるポイントです!
こちらは、今西清兵衛商店のお酒です。
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こちらは、奈良町近くの八木酒造さんの梅酒です。
奈良公園近隣の宿泊施設
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社寺参拝や史跡巡りには、奈良公園周辺で宿泊し、ここを拠点に奈良の魅力を満喫してみてはいかがでしょうか。
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