佐保川は、万葉集にも登場しており、その時代の人々にも馴染みのある川と言えます。
江戸時代末期の奈良奉行「川路聖謨(かわじとしあきら)」によって進められた植樹が受け継がれ、現在は、佐保川の沿って約5kmにわたり、桜並木が続く花見スポットとなっています。
見ごろとなった佐保川の桜を写真で紹介しています。
佐保川の桜のギャラリー
佐保川は、春日原始林を源流に、近鉄奈良側から、近鉄新大宮駅の方向の東西に向ってながれ、新大宮付近からは、南方向に向きを変えて南北方向に奈良の市街地を流れています。遊歩道が整備されているエリアもあり、多くの人が訪れます。
5kmに及ぶ並木のうち、2kmくらい見ても、かなりの見ごたえがあります。
佐保川の桜を観られなかった方も、是非景観を楽しんでいただければ幸いです。
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撮影:2021年(令和3年)~ 2023年(令和5年) 3月下旬(複数日)
Photos by Catharsis 無断転載禁止 ©Catharsis 2021-2024
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人々に育まれた佐保川の桜
この桜並木が現在のようになったのは、江戸時代の末期に、赴任した「川路聖謨(かわじとしあきら)」という奉行が、奉行所付属の山が乱伐で荒れているのを見て、整備を進めたことに始まります。
町の人々に呼びかけて、住民運動の形で古都の景観整備を進めて行ったようです。幅広く募金や寄付を募り、東大寺・興福寺を中心に数千本の桜やカエデを植樹を進め、佐保川沿いの桜もこの時に植えらました。
この川路時代に植えられた樹が現在も「川路桜」(樹齢 約170年 )として保護・管理されながら残っており、見事な枝ぶりで花を咲かせています。
また、あまり知られていませんが、植樹の経緯を記した石碑「植桜楓之碑」が猿沢池近く(興福寺五十二段を登ったところ)に立っています。ここには、「桜やカエデはいつか枯れてしまうが、後世の人々が植樹して補ってくれれば、いつまでも楽しむことができ、それが私の望みだ」という内容が記されています。
佐保川の桜は、まさにその思いが受け継がれて今の形になっていると言えます。
また、第1エリア(下段参照)の川沿いには、いくつかの万葉歌碑もあります。この川は、いにしえの時代から時代や景観は変えながらここを訪れる人々を見てきているのでしょう。
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佐保川の桜の見ごろ
3月下旬から4月上旬
※令和3年は、やや早めの開花でした。
おすすめのエリア
遊歩マップ
※ 「第1エリア、第2エリア という公式の呼び方はありません」が、ここでは、便宜的にそのように呼ばせてもらっていますので、ご了承ください。
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第1エリア(大仏鐡道記念公園ー佐保川小学校前-新大宮駅付近)
近鉄奈良駅、JR奈良駅からは、「大仏鐡道記念公園」を目指すのがお勧めです。どちらも大宮通りというかなり広い道に面する「西方寺」の横に、油阪船橋商店街という細い道があり、これを真っすぐに進むと佐保川があり、「大仏鐡道記念公園」があります。
かつて大仏鉄道という鉄道が存在していたときの駅があったことを記念した公園です。ここにも桜が咲きます。
ここが、現在の桜並木のほぼ出発点となります。佐保川にかかる小さな橋があります。遊歩道の入口は、川の流れに沿って、右岸、左岸ともありますが、わかりやすいのは左岸で、この橋の横から流れに沿って歩くとすぐです。ただ、車が通ることがあるので、歩きやすいのは右岸です。
右岸も一つ目の橋からは、遊歩道になります。
川路桜の説明板は、右岸にあります。(途中に橋もありますので、ここで右岸に行くこともできます。)
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第2エリア(三笠中学校付近ー大安寺西小学校付近)
第1エリアの終わりで、川沿いの路は、近鉄電車の線路を渡るため、迂回することになります。
第1エリアから、引き続き見るのであれば、線路に沿って、新大宮駅の方向に進むと、小さな地下歩道がありますので、これをくぐり、再び、川沿いに戻ります。あとは、川に沿って歩けば、第2エリアに入ります。
第2エリアに入ると再び遊歩道になりますで、直ぐにわかります。下流に向って左側の遊歩道がお勧めです。
遊歩道がと切れるところに橋がありますので、ここまでが第2エリアとなります。
この先にも桜並木は続きますが、ここまでで十分なくらい桜が楽しめると思いますので、ここでの折り返しをお勧めします。
※ 撮影しているのは、この第1エリアから、第2エリアの終わりまでです。
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佐保川の桜へのアクセス
アクセス
所在地:
奈良県奈良市法蓮町986(大仏鐡道記念公園):第1エリア
奈良県奈良市大安寺西1丁目(佐保川の木) :第2エリア
最寄駅:
近鉄 新大宮駅 徒歩 約 7分(第1エリア西端まで)
徒歩 約15分(第2エリアまで)
近鉄 奈良駅 徒歩 約15分(第1エリア東端まで)
JR 奈良駅 徒歩 約15分(第1エリア東端まで)
駐車場:
各駅周辺のコインパーキングの利用がお勧めです。
※ 花見のための駐車場はありません。
奈良の桜の名所
奈良の桜の名所に関する記事は、こちらをご覧ください(順次、追加していきます)。
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