地獄谷石窟仏(じごくだにせっくつぶつ)は、御蓋山から芳山へと続く春日山に点在する石仏の一つです。春日山原始林や滝坂の道の遊歩と合わせて訪れるのがお勧めです。周辺に点在する石窟仏巡りもできます。
地獄谷石窟仏(じごくだにせっくつぶつ)の概要
地獄谷石窟仏は、春日山原始林の中にあり、旧柳生街道の峠の茶屋付近から少し南側の山中にあります。コースは、山道ですので、山歩きできる服装や靴が望ましいと思います。
また、この辺りの地図は、あまり正確に書かれているものが少ないので、ここで掲載の地図も是非参考にしていただければ幸いです。

石窟は、 凝灰岩層をくりぬいたもので内部に、4躰の仏さまの線刻が確認できます。
3躰は奥の壁に、1躰は右側の壁に彫られています。この石窟仏は奈良時代の後半(もしくは平安時代)に彫られたものと言われています。
かつては山伏(聖)が住んでいたともされ、聖人窟(しょうにんくつ)とも呼ばれています。
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地獄谷石窟仏 画像ギャラリー
撮影:令和 3年 8月
Photos by Catharsis 無断転載禁止 ©Catharsis 2021-2024
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遊歩コースと画像の解説
遊歩コースは、下に掲載の地図をご確認ください。
滝坂の道の遊歩のオプションとして、巡るのがお勧めです。
地獄谷石窟に向かう道
この画像ギャラリーでは、首切地蔵休憩舎を出発点にしています。

首切地蔵休憩舎前の放射状に4本ある道の一番右の首切地蔵前の道を行きます。

途中、地獄谷園地 新池に架かる橋がありますが、ここは渡らずに山道を進みます。
(この橋を渡ると、新池を周回しながら春日山石窟仏へ向かったり、首切地蔵に戻ることもできます。下に地図を掲載していますのでご参照ください。)

奈良奥山ドライブウェイ(高円山コース)に出ると、直ぐ道路向かいに、地獄谷石窟仏に向かう道があります。
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道すがらの岩々

周辺には、春日山石窟仏や、滝坂の道の朝日観音、夕日観音、滝坂三体地蔵、寝仏など、複数の石窟仏がありますが、地獄谷石窟仏までの道すがら、いくつかの手が加えられたような岩が散見されます。勝手な推測ですが、かつては多くの石窟仏があったのではないかという感じすら受けます。
地獄谷石窟

岩窟の中の正面には廬舎那仏(弥勒仏であるという説もあります)を中心に左側に薬師如来、右側に十一面観音が刻まれています。十一面観音像は、室町時代に追加して彫られたとされ、顔の部分が線刻よりも彩色が目立つものです。 後世に再度色付けされた形跡もあるようです。

右壁には、彩色は他よりも薄いですが、妙見菩薩坐像が刻まれています。
また、左壁には、阿弥陀如来坐像・千手観音が刻まれていたようですが、現在は風化により確認できない状態です。
東側(すぐ隣)の洞窟

地獄谷石窟仏の東側に隣接して東窟があります(金網越しに確認できます)。
奥の壁に何となく、仏像のように見える痕跡があるようにも見えますが、こちらは石仏を彫り出した痕跡がなく、空洞となっているとのことのようです。
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地獄谷石窟仏へのアクセス
アクセス
所在地:
奈良市春日野町
最寄駅:
近鉄 奈良駅、JR奈良駅
破石町(わりいしちょう)バス停へ
バス(奈良交通):
市内循環(外回り)「破石町」下車
徒歩(破石町バス停まで):
近鉄 奈良駅から約25分
JR 奈良駅から約30分
破石町バス停から
徒歩(滝坂の道を進む):
約 100分から120分程度
車で:
奈良奥山ドライブウェイ(高円山コース)<有料道路>にて、地獄谷石窟仏への入り口に、3台程度駐車できるスペース(駐車場)があります。
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周辺の見どころ
滝坂の道や春日山原始林の遊歩のオプションとして巡るのがお勧めです。
また、石窟仏に関心のある方は、合わせて周辺の石窟仏を巡るといいでしょう。周辺には、「寝仏・朝日観音・夕日観音」(滝坂の道)や、「春日山石窟仏」があります。
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