ここでは、春日山原始林遊歩のなかで、首切地蔵~鶯の滝~若草山山頂駐車場までの区間(区間2)を紹介します。ルートとしては、ほぼ、奈良奥山ドライブウェイを歩きます。滝坂の道や、若草山山頂からのオプションコースとしてお勧めです。
奈良奥山ドライブウェイ(遊歩)の概要
ここでは、下の地図の区間2に当たるところを紹介します。
「奈良奥山ドライブウェイ」は、自動車も通るコース(未舗装)ですが、通行する車の数はそれほど多くありませんので、ゆったりと歩くことができます。 (つまり、自動車で春日山原始林を楽しむことができる区間でもあります。)
この区間の散策は、高低差が比較的少なく、春日山原始林を満喫することができます。広い道をゆったりと歩きながら、 春日山原始林を満喫することができます。
この区間では、「地獄谷園地 新池」「春日山石窟仏」「鶯の滝」「花山 地蔵の背」「春日山 最大の山桜」などが見られます。滝坂の道から、あるいは、若草山山頂からのオプション遊歩にもお勧めです。
今回は、滝坂の道側から周回していますが、若草山側から周回することもできます。
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奈良奥山ドライブウェイ(奈良奥山コース)の画像ギャラリー
撮影:令和 3年 8月
Photos by Catharsis 無断転載禁止 ©Catharsis 2021-2024
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遊歩コース
首切地蔵から、柳生街道を進み、奈良奥山ドライブウエイに出て、鶯の滝に向かいます。
※ 若草山山頂から逆方向に歩くこともできます。
地 図
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補 足
首切地蔵の休憩所(休憩舎)からは、登った来た滝坂の道以外に3つの道があります。
この周辺は、少し分かりにくいです。案内板が立っていたり、休憩所にぶら下げてある地図を見ても、良く分かるものがなかったので、作成しました。この地図が参考になれば幸いです。
進む方向の道は、どれも、「奈良奥山ドライブウェイ」にぶつかります。
「地獄谷石窟仏」に向かうのであれば、一番右、「春日山石窟仏」を見る、あるいは、「鶯の滝」に向かうのであれば、右から2番目の石畳の道(旧柳生街道)を行きます。
滝坂の道の横にある細い道は、春日山遊歩道に出る道です。首切地蔵で折り返し、戻るのであれば、春日山遊歩道を使うのもお勧めです。
① 首切地蔵休憩所分岐点
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今回は、「地獄谷園地 新池」を経由して、「春日山石窟仏」を経て、「鶯の滝」に向かいます。
ただ、50mくらい進むと、春日山遊歩道と並走するように交わります。この交わるところに、更に、「地獄谷園地 新池」に向かう道が交わります。案内板はあるのですが、やや分かりにくいです。
② 分かりにくい分岐点

「地獄谷園地 新池」をパスするのであれば、石畳の道「旧柳生街道」を行くと「春日山石窟仏」に向えます。これもパスして「鶯の滝」に向かうのであれば、「春日山遊歩道」を行きます。
今回は、「地獄谷園地 新池」を見てから、「春日山石窟仏」に向かいました。
また、「春日山石窟仏」は、一旦、「奈良奥山ドライブウェイ」に出てから行くことになります。
「旧柳生街道」を進み、「奈良奥山ドライブウェイ」に出ます。ここに出て、間もなくに向かう枝道があり、そこを登っていくと「春日山石窟仏」を見ることができます。
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次に、「奈良奥山ドライブウェイ」に戻り、「鶯の滝」の方向に向かいます。

しばらく行くと、休憩所(大原橋休憩舎)があり、その横に「鶯の滝」に向かう赤い橋がありますので、そこを進むと、「鶯の滝」です。
「鶯の滝」は、別記事(こちら)で詳しく紹介していますので、是非ご覧ください。
今回は、「鶯の滝」から、ここまで戻り、「若草山山頂」を目指します。春日山原始林の中を通る「奈良奥山ドライブウェイ」を歩きますが、途中、沿道に「花山 地蔵の背」「春日山 最大の山桜」があります(下で改めて紹介します)。

しばらく歩くと、また、休憩所(十八丁休憩舎)があり、 そして、「若草山山頂駐車場」にたどり着きます。
この休憩所から、駐車場までは、約500mくらいです。

若草山山頂以外、自動販売機はありませんので、入山前に十分な量の水分を持っていくことをお勧めします。(夏季は、パットボトル3本くらい欲しいところです。)
実は、今回ペットボトル1本しか持っていかなかったため、かなり苦しい状況でした。若草山山頂の自動販売機が、オアシスに見えました。
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このルートにあるスポット
首切地蔵

首切地蔵は、江戸時代の剣豪で、仇討でも有名な荒木又右衛門が、ためし切りをしたという伝説があるお地蔵さまです。 ちょうど首のところで割れた姿で立っています。
詳しくは、こちら
地獄谷園地 新池(じごくだにえんち しんいけ)

滝坂の道の横を流れる能登川の源流部となる比較的大きな池です。新緑、紅葉の季節には、美しい景観となります。
鎌倉時代、土木工事の技術が向上し、米作の安定のため堰(せき)をつくり、池にすることが行われるようになりましたが、この新池もそのころに造設されたものではないかという話があります。
なぜ、地獄谷?
それにしても、地獄谷とは、なぜこのような名前がついているのだろうかと感じてしまう名前です。
喜多野 徳俊 氏 著の『奈良閑話』の中では、
『屍が捨てられる場所であったというのが通説ではあるが、東大寺大仏、大仏殿の工事に駆り出された役夫たちは(この辺りで)石を切り出し、この谷から東大寺に運び出した。その道はまさに地獄の苦しみであっただろう。
また思う、春日社の一宮は釈迦が本地である。釈迦の居ます春日山が極楽ならば、その下の谷はまさに地獄谷と呼ぶのが一番良い。』
とあるようですが、こういったところでしょうか。
春日山石窟仏(かすがやませっくつぶつ)

「春日山石窟仏」は、岩が厨子(ずし)のように掘られており、その壁に石仏が彫られています。東大寺大仏殿を立てるために石材を掘り取った跡に彫られたもののようです(平安末期の彫刻)。
洞窟は、東西のふたつに分かれており、東側の洞窟には、地蔵尊を中心に、また、西側の洞窟には、大日如来と阿弥陀如来を中心に18体の石仏が厚肉彫りされていたようです。
「春日山石窟仏」について、詳しくは、こちら
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鶯の滝(うぐいすのたき)

万葉集にも多く詠まれる佐保川の源流部にある位置にある落差 約10m程度の小さな滝です。江戸時代には名所として知られていたようですが、平安時代に西行法師も訪れ歌を詠んだという話もある美しい滝です。
「鶯の滝」について、詳しくは、こちら
花山 地蔵の背(花山の背地蔵)

「花山 地蔵の背」には、複数体のお地蔵様が祀られています。ここもまた、「地蔵の背」という変わった呼び名で気になります。

花山の尾根は、南北に馬の背中のような形で続いており、その北端側(若草山側)の延長線に近いところに「地蔵の背」があります。また、別名で「花山の背地蔵」という呼び方をしているケースもあるようですので、推測の範囲ですが、この地理的な関係が、名前の由来なのかもしれません。

「地蔵の背」は、地蔵がある背と解釈できるのでしょうか?
そうであれば、「花山の背地蔵」の呼び方の方がしっくりするようにも感じます。
春日奥山 最大の山桜

春日山原始林で最大の山桜が奈良奥山ドライブウェイの道沿いにそびえます。何となくヤマタノオロチをイメージするような木なので、春日奥山 最大の山桜の存在を知らなくても、気を引く姿です。花の咲く時期にも訪れたいものです。
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アクセス
所在地:
奈良県奈良市春日山原始林内
遊歩で奈良奥山ドライブウェイへ
最寄駅:
近鉄 奈良駅、JR 奈良駅
最寄駅から
1)滝坂の道(旧柳生街道)ルート
- バス(奈良交通): 市内循環外回り 「破石町(わりいしちょう)」下車
- 徒歩で、滝坂の道(旧柳生街道)、または、春日山遊歩道を歩き、奈良奥山ドライブウェイへ至る
2)若草山ルート
- バス(奈良交通): 春日大社本殿行「春日大社本殿」下車
- 徒歩で、春日山遊歩道、または、若草山山麓入口から若草山山頂へ、山頂駐車場から奈良奥山ドライブウェイへ至る
※ 若草山山麓ルートは、閉山期間もありますのでご注意ください。
こちらのページも合わせてご参照ください
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自動車で奈良奥山ドライブウェイへ
若草山山頂駐車場から遊歩することももできます。
奈良奥山ドライブウェイの公式ページをご参照ください。
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シリーズ記事
若草山山頂から、「春日山遊歩道」を下る道です。
「春日山遊歩道」は、世界遺産 春日原始林の周遊コースです。
ほぼ全行程木々に覆われる、原始林の世界をたっぷりと味わいながら歩く道です。

関連スポット

少しだけ、コースを外れますが、石窟仏にご興味があれば、「地獄谷石窟仏」まで、足を運んでみてはいかかでしょうか。
色彩の残る石窟仏が見られます。
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