県立自然公園の神野山(フォレストパーク 神野山)<奈良県北東部にある山添郡山添村>は、多くの散策・自然スポットがあります。ここには、一度は行ってみたい珍しい風景=岩の川ともいえる 鍋倉渓(なべくらけい)があり、山頂では大パノラマの絶景が楽しめる奈良の自然おすすめスポットです。
鍋倉渓・神野山(山頂)の概要
鍋倉渓(なべくらけい)
初めて見たときは、” なにこれ!?” とか、” えっー!!”とか、声が出てしまうような、不思議な光景。

鍋倉渓の景観は、古代の人が、天の川を地上に映しとったものだとか、天狗によってつくられたとかの説や民話もあるスポットです。
幅平均25m、長さ約650mにわたって大小の黒色の岩々が川の流れのように続いている風景は、きっと不思議に感じることでしょう。
実は、川のせせらぐ音も聞こえる
この谷を流れるように並ぶのは岩ばかりなのですが、実は川も、岩石の下を流れており、岩の間からかすかに水音が聞ける場所(登り口のこの石の川の上を渡る木道のところで聞こえます)もあります。
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神野山(こうのやま)山頂
山頂の展望台からの眺望は、絶景・・ナリ!

標高618.8mのなだらかな円すい形の山で、県指定名勝です。
山頂展望台からは360度のパノラマが広がり、吸い込まれちゃいそうな絶景。
また、季節によって、つつじや茶畑、山一面を覆う紅葉が・・。遊歩道も張り巡らされせており、いろいろなコースで散策が楽しめます。
鍋倉渓の駐車場から山頂までは、約40分程度です。
一帯は、フォレストパーク神野山という自然公園になっています。
また、神野山は、天体観測スポットとして訪れる人も多いようです。
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鍋倉渓・神野山山頂 ギャラリー
自然豊かな不思議と絶景をご覧いただけます。
撮影:令和 3年 6月
Photos by Catharsis 無断転載禁止 ©Catharsis 2021-2024
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画像の解説
とにかく続く岩の川
鍋倉渓の風景は、なんで岩の川なの?・・しかも、こんなに続いているなんて・・・と感じるところです。誰もが、こんな風に思うのでしょう。だから、いろんな説が生まれているといことにもロマンを感じる場所です。

竜王岩は、看板のみ
天体説(ページ下で詳しく解説しています)の一つである竜王岩。(=「さそり座のアンタレス」の位置を表しているようです。)
遊歩道には、説明板が立っていますが、残念ながらどれが竜王石なのかが、わかりません。というか、良く見えないのです。
実は、この石を見るためには、別ルートでこの場所まで行かなくてはなりません。下の方に、地図を載せましたので、参考にしてください。

天狗岩
やがて天狗岩にたどり着きます。天体の夏の大三角形の「わし座のアルタイル」を表してる岩だといわれます。
天狗岩の横(これを含めて天狗岩なのでしょうか?)には、少し小さめの柳生一刀石のような岩もあります。
天狗が切ったということでしょうか(笑)。天狗の体の一部や扇子のようにも見えます。

豊な自然
山頂に向かう道は、緑のトンネルの中をある良く様な感じで、登りが続きますが、爽快に歩けます。
また、天狗岩以外にも、ところどころに名もなき、大きな岩もいくつかあり、全体的に神々しさも感じます。

開けている山頂
山頂エリアは、開けていて、四方八方が眺望できるという感じです。展望台に上ると、見上げると空しか見えないような空が広がっています(ちょっちい方は変ですが、そんな感覚です)。
ギャラリーの画像で少しでも感じていただけるように、複数の画像を入れました、とにかく眺望がすばらしい!・・絶景です。

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鍋倉渓 ・・・なぜこのような風景が生まれたのか
私も、素直にそう感じたので、まとめてみました。
学術的には・・(鍋倉渓の説明パネルによると)
鍋倉渓は、地質学上、特別な条件で生じた極めて珍しい風化現象によってできたもので、全国的にも学術上の価値が高いところのようです。
とにかく硬い岩だからこそ
神野山付近の大和高原一帯は、花崗岩(かこうがん)質で形成されていますが、この神野山だけは、角閃斑糲岩(かくせんはんれいがん)<角閃岩(かくせんがん)と斑糲岩(はんれいがん)があわさったような岩>という地下深部でできたもので非常に硬い岩なんです。
そこで、硬い角閃斑糲岩の部分が長年の風化に耐えて残り、深かった谷底に転がり落ちた後、地形変化によって浅い谷底になり、岩石が昔の谷に沿って川のように列をなしたものと考えられています。
つまり、地球創世以来の長い年月の浸食と地形変化によってこの風景が生まれたということですね。
また、川をなす岩の色が黒くすすけたような色であることから鍋の底を思わせることから、「鍋倉(なべくら)」と呼ばれるようになったと言い伝えられているようです。
見えないが、岩の下に川も流れている
そして、川の流れは、一層谷底を深く浸食し岩石の下をくぐる伏流となったといわれています。
だから、川の流れの音も聞こえるのですね。
民話では・・・
伊賀の天狗と神野山の天狗が喧嘩をして投げ合った岩だとか。昔の人も、人間わざとは思えないこの光景を見れば、そんなことを思うのも納得がいきます。
鍋倉渓の紹介には、こんな天狗のキャラクターが使われています。

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ちょっとヤバい! 天体と関わる古代の造作説
天の川と夏の大三角形を地上絵に
実は、神野山の巨石は星座(天の川と夏の大三角形)を地上に映したものではないかと考えられているものです。
つまり、古代の文明によるものという説です。山添村の歴史は奈良時代とは比べものにならないくらい古く、現在から遡ること約15,000年(紀元前13,000年ころ)・・・「縄文時代」と言われます。

えっ、縄文ですかぁ!

そうなんです。
縄文のころ、すでに何らかの高度な文明が
存在していたのではないか・・・ということです。
古代の何らかの儀式が行われたのかもしれませんね。
古代より、巨石には神が宿るとされて、いくつかの神社では、岩をご神体として祀られていることも少なくありません。
神が宿ると考えられる岩石を「磐座(いわくら)」と言われますが神野山の5つの岩もこの磐座(いわくら)と言われています。
そして、天の川と夏の大三角形を地上に映したもの・・・とも言われており、それがそうだとすると、とんでもない古代文明が存在していたかも・・・ということですね。

えっ~!
恐るべし「鍋倉渓」!!

では、どの岩が、どの星を移しているといわれているのか?
について紹介します。
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どの岩がどの星を映したものなのか・・・
次の通りです。
1)鍋倉渓 :「天の川」
<夏の大三角形>
2)天狗岩 :わし座の「アルタイル」
3)八畳岩 :こと座の「ベガ」
4)王 塚 :はくちょう座の「デネブ」
5)北斗岩 :「北極星」
6)竜王岩 :さそり座の「アンタレス」
これが興味深いのは、鍋倉渓とこれらの巨石の位置関係を計測した結果があり、それに基づいているということなんです。それが、以下の 山添村のHPに掲載の観光パンフレット に書かれているものです。
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これによると

巨石の位置が、天体の「天の川(=鍋倉渓)」、白鳥座の「デネブ(=王塚)」、こと座の「ベガ(=八畳岩)」、わし座の「アルタイル(=天狗岩)」、さそり座の「アンタレス(=竜王岩)」、「北極星(=北斗岩)」とほぼ重なることが分かっているようです。
これは “ヤバッ!” すぎるかもしれません。
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星を映した岩のある場所は
位置が書かれた地図が意外となかったため、興味のある方のために、各岩の位置も掲載します。
鍋倉渓入口にある、地図の画像をお借りして、記載させていただいたものです。
夏の大三角形も見事に映しとられていますね。


いろいろな説を生んでいますが、それだけに、鍋倉渓の不思議な光景によるものだということでしょう。一見の価値のあるスポットです。
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鍋倉渓(神野山)へのアクセス
アクセス
所在地:
山辺郡山添村大塩
最寄駅:
JR奈良駅、近鉄奈良駅
バス(奈良交通):
北野行き 「北野」下車
徒歩 約 2km(遠いです)
※ 本数も少なく、停留所からの木距離も
かなりあります。
※ 車で行くのがお勧めのスポットです。
基本情報
駐車場:
有(300円の協力金)
- 山頂に行くには、鍋倉渓の駐車場から約40分程度の登り道です。
- また、近隣のめいめい牧場からも登れます。めいめい牧場を登り切ったところの駐車場からは約15分程度(鍋倉渓は見られませんが)で山頂に行けます。
JR・近鉄 奈良駅 近隣の宿泊施設
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近隣の見どころ
神野山は、フォレストパーク神野山 として、一帯が自然公園となっています。
磐座(いわくら)巡りとして塩瀬地蔵、大師の硯石を加えてみたり、このほか神野寺やめいめい牧場なども併せて楽しむことができます。べーべキュー場もあります。
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