「みむろ杉 露葉風(つゆはかぜ)」は、今西酒造さんのラインナップの中で唯一奈良で栽培される露葉風(造酒好適米の種類の一つ)と神の水といわれる三輪山の伏流水で造られた、奈良の日本酒です。
「みむろ杉 露葉風 特別純米 辛口」の味わい
今西酒造さんの日本酒には漢字の「三諸杉」(みむろすぎ)と平仮名の「みむろ杉」のシリーズがあります。平仮名の「みむろ杉」は、特約店限定流通のブランドで、正式名称は「みむろ杉 ろまんシリーズ」と言います。
今西酒造さんは、奈良の一宮(いちのみや)であり、三輪山をご神体とする大神神社(おおみわじんじゃ)の鎮座する奈良県桜井市の三輪にあります。
三輪山は古来から「三諸山(みむろやま)」と呼ばれ、「うま酒みむろの山」と称され、酒の神様としての信仰からの呼び名でりあるようです。
蔵内井戸にはご神体「三輪山」の伏流水が湧き出ており、これを仕込み水にしているというのも今西酒造さんの味の秘訣ではないかと感じます。
また、三輪は、” 三輪そうめん ” でも有名です。
個人的寸評
ここでは、 「みむろ杉 ろまんシリーズ」 の特別純米 辛口 についての個人的感想を述べさせていただきます。
日本酒度+6 の 辛口 のお酒です。
今西酒造さんのお酒は、どれも丁寧に造り込まれている印象です。
この「みむろ杉 露葉風 特別純米」は、癖がなく、辛口でありならが、旨味も感じられる、バランスのいいお酒だと感じます。
一本しっかりとした味わいの造形がしっかりしているような印象で雑味がなく澄んだ味わいです。
日本酒は、ちょっと苦手だと感じている方にも、新しいお酒として楽しめる日本酒ではないかと思います。
昔の一般的な日本酒のイメージを払拭する日本酒の一本ではないかと思います。
価格も720ml で1,500円クラスのお酒の中では、トップクラスにおいしいお酒だと感じます。
データ
酒造:今西酒造株式会社
諸元
精米歩合 | 60% |
アルコール分 | 15度 |
日本酒度 | +6 |
原料米 | 露葉風100% |
参考価格(税込み)
※価格は、異なる場合がありますので目安としてください。
1800ml | 2,860円 |
720ml | 1,540円 |
個人的おすすめ度(5段階)
★★★★★
これを買えば、間違いない!
辛口の酒とは思えないほど、ボディー感(芳醇さ)が、しっかりとしていながら、スッキリと飲みやすいです。
味わいは・・
- 辛口、すっきり、爽やかな酸味、香りは少なめ、ほんのりした甘さも感じます。
- さっぱりとして後は引かないです。
- それでいて、ボディーもしっかりしていて、味にブレがなく、筋が通ったような旨味を感じます。
- 辛口のお酒ならではの少し線の細さは感じますが、旨味もしっかりと感じることができ、スッキリとした旨味という感じが良いです。ほんのりとした酸味も感じます。
補足
みむろ杉のラインナップで同等のクラス(少しだけ、価格が高い)に「みむろ杉 山田錦 純米吟醸」があります。どちらを選んでも後悔はないと思います。両方ともおいしいです。
よりスッキリ、さっぱりを求めるのであれば、 「みむろ杉 露葉風 特別純米」 、
より芳醇を求めるのであれば 「みむろ杉 露葉風 特別純米」
ということだと思います。
劣化しにくいように火入れをされていますが、生酒と遜色がないように感じます。
「火入れ」については、こちらの記事で解説していますので、ご覧ください。
■こちらから購入できます
露葉風とは・・・
「露葉風(つゆはかぜ)」は、唯一奈良県で栽培されている造酒好適米です。
「露葉風」の誕生は・・
露葉風は、昭和38年「白露」と「早生双葉」を掛け合わせ愛知県で誕生した酒造好適米です。
現在は、奈良県で栽培される唯一の酒造好適米奨励品種です。
しかしながら、露葉風は平地での栽培が難しく生産性が悪いこともあって、作付け面積が徐々に減少し、奈良県でもほとんど栽培されなくなり、「幻の酒米」となっていました。
その中で、独自の味わいを持った奈良の地酒を露葉風でとの思いを強めた酒造(長龍酒造株式会社)が、平成14年に「JAならけん」の協力のもと、栽培適地である奈良県山辺郡山添村で露葉風の栽培に取り組みました。
山添村は、標高120~620mの高地に位置し、豊かな自然に恵まれ、きれいな水と昼夜の寒暖差という露葉風にとってこの上ない生育条件に恵まれたところです。
栽培開始当初は栽培方法も手探りの状態ながら、農家の協力により、順調に収穫できるようになりました。
露葉風の酒の特徴
露葉風で醸(かも)した酒は、米の味をしっかりと引き出したボディの効いた酒になります。
コクがあり、ふっくらとした味わいが口の中に穏やかに広がり、まろやかで、米の旨みを十分に味わえるお酒になります。
今西酒造さんのお酒
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漢字「三諸杉(むむろすぎ)」には、菩提酛の日本酒もあります。
(「菩提酛」については、詳しくは こちら をご覧ください。)
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