毎年、3月に行われる東大寺二月堂のお水取り。二月堂に掲げられるお松明は、全国版のニュースでも取り上げられる著名な行事であり、見ごたえもあります。その見どころや由来ついて紹介しています。
奈良では、この行事が終わるころに春の暖かさを感じるようになります。
開催要領
令和6年は、1273回目を迎える修二会です。
いにしえの戦(おそらく大仏殿が焼失したときも?)、近代の戦時中も休むことなく続けられてきた行事であり、引き続き感染症等の影響でこれを途絶えさすことはできないため、対策がとられます。
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日別拝観の制限について
例年 お松明は
3月1日から14日まで行われます
※ 3月12日は、一般参拝者の局(つぼね)での聴聞は出来ません。
【3月1日〜11日】及び【3月13日~14日】
お松明は、観ることができますが、人数制限があります。
・二月堂下芝生や広場の人数が一定数以上になると、以降は、第2拝観所からの拝観となる。
・第2拝観所も一定数を超えると、以降はお松明が観られないことがある。
【3月12日】(信者組織優先)
※ 詳細は東大寺公式ページをご参照ください。
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お松明の日程(令和5年)
3月1日~11日 | 3月12日 | 3月13日 | 3月14日 |
入場制限あり | 入場制限あり ※信者組織優先 | 入場制限あり | 入場制限あり |
19:00~ 約20分 お松明 10本 | 19:30~ 約45分 お松明 11本 | 19:00~ 約20分 お松明 10本 | 18:30~ 約10分 お松明 10本 |
(籠松明) 直径1mほどの 大きな松明が使われます | 短い間隔でお松明が 連続して上がります。 上堂の間隔が短いた め、「尻つけ松明」 とも呼ばれます |
※ 行事の内容、時刻など変更なる可能性がありますので、詳細は以下公式ページをご確認ください。
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見どころ
お松明は、12日の籠松明が有名ですが、二月堂に上堂する練行衆の道明かりとして灯されるものなので、修二会の期間中である 3月1日 から3月14日 の間、毎日 行われます。
11名の練行衆が一人ずつ、二月堂に上るときの足元を照らすために灯されますが、「処世界」という役が、準備のため事前に上堂しているため、通常は10本の「お松明」があげられます。
ただ、12日だけは、全ての練行衆が上堂するので11本の「お松明」となります。
12日は、籠松明と呼ばれる大きなお松明(この日は、夜中に「お水取り」の儀式が行われる)が使われ、特に見ごたえがあります。
最終日の14日は、短い時間ですが連続してお松明が上がり、すべてが、並んで舞台に掲げられ、こちらも見ごたえがあります。
写真は、随分と前(10年以上前)に撮影したものですが、1200年以上の歴史に比べると、誤差のような過去かもしれません。
近くで観ることができると、大変迫力があります。一度は、芝生エリアの一番前で観たいものです(ただ、火の粉が落ちてくるので、少しですがこれを被ることもあります。ご利益として受け、少しくらいの焦げが生じてもかまわない服装がいいかもしれません。)
コロナ収束までは、我慢と協力が必要ですが・・・。
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動画や画像で修二会を詳しく見る
2021年(令和3年)第1270回目の 修二会お松明 の様子は画像たっぷりに、
2022年(令和4年)第1271回の様子は動画で、がっつりと紹介しています。
是非、ご覧ください!
2021年(令和3年)の様子
動画で修二会のお松明を見る<2022年(令和4年)撮影>
3月2日の動画はこちら
一本一本お松明が上がります
3月14日(尻つけ松明)の動画はこちら
10本のお松明が連続して上がります
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お水取りについての豆知識
修二会について
「修二会」は、天災や疫病や反乱を取り除いて、鎮護国家、天下泰安、風雨順時、五穀豊穣、万民快楽など、人々の幸福を願う行事とされ、心身を清めた僧(練行衆)が、二月堂の本尊、十一面観音菩薩の宝前で宝号を唱え、荒行によって懺悔(さんげ)し、あわせて天下安穏などを祈願する法要です。
12月の中旬頃より、行が開始されれ、3月1日から、3月14日が本行となります。
お松明は、その一部で、行は深夜まで行われています。
旧暦では、2月1日から行われていたので、二月に修する法会ということから「修二会」と呼ばれ、そして、二月堂の名もここから由来しているようです。
この修二会は、天平勝宝4(752)年にはじめられ、現在まで1300年近く、戦火に見舞われた時も、途切れることなく続けられています。令和4年は、1271回目となります。
お水取りにつて
「修二会」の練行の中で、12日の夜(翌朝午前一時半頃)に本尊に供える「お香水」を汲み上げる行事があることから「お水取り」の名がついています。
若狭の国(現在の福井県)の遠敷明神(おにゅうみょうじん)が、二月堂で開かれる修二会に参集された際、魚を採るのに夢中になっていたために遅れてしまい、そのお詫びとして、二月堂のほとりに清水(若狭の国の香水)を涌き出ださせ観音さまに奉ったというのが「お水取り」の由来とされています。
「お水取り」で汲む「お香水」は、福井県小浜市神宮寺で行われる「水送り」(毎年3月2日に行われる)により、若狭鵜の瀬から10日間かけて奈良東大寺二月堂「若狭井」に届くといわれています。
お香水は、お水取りの10日前に、若狭の国(福井県小浜市)の遠敷川に流され、3月12日に奈良東大寺の「お水取り」で汲み上げられます。
遠敷明神は、二月堂の裏手にも祀られておりますので、早めに行ってお参りするのもいいかもしれません。(ちょっと分かりにくい場所ですが、登廊を登った先の左側に階段があり、その階段を登るとすぐにあります。)
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「お水取り」は、12日の「後夜の五体(後夜の悔過作法の儀式の一つ)」の途中で勤行を中断してはじまります。
13日の午前1時過ぎ、南出仕口を出た行列は石段を下り、興成神社(こうじょうじんじゃ)で祈りを捧げ、閼伽井屋(若狭井)に至ります。
閼伽井屋(あかいや)は、「お水取り」の井戸がある建物です。
お水取りの役以外は、入ることも、中を見ることもできません。閼伽井屋と二月堂の間を三往復して、お香水が内陣に納められ、「お水取り」が終わると練行衆等は再び行列を組んで二月堂へ戻り、後夜の「時」が再開されます。
ご参考までに
練行衆は、この登廊から二月堂に上がっていきます。
二月堂の舞台です。ここでお松明の火は振り払われます。
当日使われるお松明が準備されています。
期間中に使われる松明の竹です。
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東大寺 二月堂への アクセス
アクセス
最寄駅:JR奈良駅、近鉄奈良駅
所在地:奈良市雑司町406-1
近隣の宿泊施設
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最後までご覧いただきありがとうございました。